タティングレースは繊細で美しい手芸技法です。でも、どんな使い道があるのか分からない方も多いでしょう。また、始め方が分からず躊躇している方もいるかもしれません。この記事では、タティングレースの魅力的な使い道と、初心者でも簡単に始められる作り方をご紹介します。
タティングレースとは?簡単な概要と魅力
タティングレースは、シャトルと呼ばれる小さな道具を使って糸を結んでいく手芸技法です。一本の糸から繊細なレースが生まれる様子は、まるで魔法のようです。
タティングレースの魅力は、その繊細さと優雅さにあります。小さなモチーフでも存在感があり、日常に華やかさをプラスしてくれます。また、必要な道具が少なく、どこでも気軽に楽しめるのも大きな特徴です。
タティングレースの多彩な使い道
アクセサリーとしての活用
タティングレースは、アクセサリー作りに最適です。繊細な模様が、身につける人を優雅に演出してくれます。
ネックレスの場合、小さなモチーフを1つ作るだけでペンダントトップになります。パールと組み合わせれば、より上品な印象に。ピアスやイヤリングも、タティングレースで作れば他にはない個性的なアイテムになります。
ブローチは、タティングレースの繊細さを存分に活かせるアイテムです。花モチーフを作り、ブローチピンを付けるだけで完成です。洋服やバッグのアクセントになり、コーディネートの幅が広がります。
インテリア小物への応用
タティングレースは、インテリア小物としても活躍します。
ドイリーは、タティングレースの代表的な作品です。テーブルの上に置けば、一気に優雅な雰囲気に。大きさも自由に調整できるので、用途に合わせて作れます。
コースターは、初心者でも挑戦しやすい作品です。小さなモチーフを作り、それを組み合わせてコースターサイズにします。お気に入りの飲み物を乗せれば、ティータイムがより楽しくなります。
花瓶敷きも素敵です。レースの模様が花瓶の美しさを引き立てます。季節の花を飾れば、部屋全体が華やかになります。
衣類やファッション小物のアクセント
タティングレースは、衣類やファッション小物のアクセントとしても使えます。
ハンカチの縁飾りは、タティングレースの定番です。市販のハンカチに自作のレースを縫い付ければ、世界に一つだけのオリジナルハンカチの完成です。
襟元や袖口の装飾にも最適です。シンプルな服に付けるだけで、ぐっとエレガントな印象になります。取り外し可能にすれば、洗濯も簡単です。
バッグの装飾にも使えます。持ち手部分や口元にレースを付ければ、普段使いのバッグが特別なものに変身します。
初心者でも簡単!タティングレースの基本テクニック
必要な材料と道具
タティングレースを始めるのに必要な道具は意外と少ないです。
まず、タティングシャトルが必要です。これは糸を巻き付ける道具で、タティングレースには欠かせません。初心者の方は、先端にかぎ針が付いたタイプがおすすめです。糸を引き出す作業が楽になります。
レース糸も必要です。初心者の方は、太めの糸(#20番手程度)から始めるのがいいでしょう。慣れてきたら、より細い糸にチャレンジしてみてください。
はさみは、糸を切るのに使います。小さめのはさみが扱いやすいです。
レース用かぎ針は、細かい部分の糸を引き出すのに便利です。ペンダントタイプのものもあり、首から下げて使えます。
基本の編み方
タティングレースの基本は、表目と裏目の編み方です。
表目は、シャトルを右手で持ち、左手の指に糸をかけます。シャトルを糸の下からくぐらせ、上に引き上げます。左手の指を外すと、結び目ができます。
裏目は、表目と逆の動きをします。シャトルを糸の上から入れ、下に引き下げます。
この表目と裏目を交互に編んでいくのが、タティングレースの基本です。これを「ダブルステッチ」と呼びます。
ピコットの作り方
ピコットは、タティングレースに可愛らしさをプラスする小さな輪です。
ダブルステッチを編んだ後、糸を少し余らせます。その状態で次のダブルステッチを編みます。すると、余らせた部分が小さな輪になります。これがピコットです。
ピコットの大きさは自由に調整できます。大きめのピコットを作れば華やかに、小さめなら繊細な印象になります。
リングとチェーンの編み方
リングは、タティングレースの基本的な形の一つです。
シャトルの糸を使って、ダブルステッチを連続して編みます。編み終わったら、最初の結び目まで糸を引き締めます。すると、輪の形になります。
チェーンは、リングとリングをつなぐ役割をします。
リングを編んだ後、シャトルを持ち替えます。今度は、手に持った糸を芯にしてダブルステッチを編んでいきます。直線状につながっていくのがチェーンです。
簡単タティングレース作品の作り方
初心者向けシンプルモチーフ
初心者の方には、小さな花モチーフがおすすめです。
まず、5つのリングを編みます。各リングの間にピコットを作ります。5つ目のリングを編み終わったら、最初のリングのピコットとつなげます。
所要時間は、慣れない方で1時間程度です。難易度は初級ですが、基本の技術が身につきます。
注意点は、リングを締める時の力加減です。強すぎると歪みますし、弱いとだらしない印象になります。均一な力で締めるのがコツです。
アクセサリー作品の作り方
ネックレストップの制作手順を見てみましょう。
まず、中心になる大きめのリングを編みます。その周りに、小さなリングを5つほど配置します。各リングをピコットでつなげていきます。
最後に、チェーンで外周を囲みます。チェーンの途中にピコットを作ると、より華やかになります。
ピアスの作り方も簡単です。小さなリングを3つほど組み合わせます。上部にループを作り、そこにピアスの金具を通します。左右対称に作るのがポイントです。
インテリア小物の制作
コースターの編み方を紹介します。
中心に大きなリングを作り、その周りに小さなリングを配置します。外周をチェーンでつなげば完成です。
サイズは自由に調整できます。大きめに作れば、ティーポットの敷物としても使えます。
ミニドイリーは、コースターを少し大きくしたイメージです。中心のリングを大きくし、周りのリングの数を増やします。外周のチェーンも長くなります。
編み方の基本は同じですが、大きくなるぶん時間はかかります。でも、完成した時の達成感は格別です。
タティングレースを楽しむためのコツと注意点
糸の選び方と扱い方
糸の選び方は、作品の仕上がりに大きく影響します。
初心者の方は、太めの糸から始めるのがおすすめです。#20番手くらいの糸なら、結び目の形が見やすく、編みやすいです。
慣れてきたら、徐々に細い糸にチャレンジしてみましょう。#80番手くらいの細い糸を使えば、より繊細な作品が作れます。
糸の扱い方も重要です。糸にテンションをかけすぎると、結び目が固くなりすぎてしまいます。かといって、緩すぎても形が整いません。適度なテンションを保つのがコツです。
編み目の調整と仕上げのポイント
編み目の調整は、美しい作品を作るための重要なポイントです。
リングを締める時は、均一な力で締めることが大切です。強すぎると歪みますし、弱いとだらしない印象になります。
ピコットの大きさも揃えましょう。大きさを揃えることで、全体的に整った印象になります。「ピコットゲージ」という道具を使うと、簡単に均一なサイズのピコットが作れます。
仕上げの段階では、糸端の処理が重要です。糸端を4〜5cm残して切り、結び目を作ります。そこにボンドを少量つけて固定すると、ほつれを防げます。
作品の保管と手入れ方法
タティングレースの作品は、適切な保管と手入れが大切です。
保管する際は、直射日光を避け、湿気の少ない場所に置きましょう。専用のケースに入れるのも良いでしょう。他のアクセサリーと一緒に保管すると、引っかかって傷つく可能性があるので注意が必要です。
手入れは、優しく行いましょう。洗濯が必要な場合は、中性洗剤を使って手洗いします。強くこすると形が崩れるので、優しく押し洗いします。
乾かす時は、タオルで軽く水気を取り、平らな場所で形を整えながら自然乾燥させます。アイロンは避けましょう。熱でレースが縮んでしまう可能性があります。
まとめ
タティングレースは、繊細で美しい手芸技法です。アクセサリーやインテリア小物など、使い道は多彩です。基本の編み方さえマスターすれば、初心者でも素敵な作品が作れます。糸の選び方や編み目の調整、作品の保管方法にも気を付けましょう。タティングレースで、あなたの日常に優雅さをプラスしてみませんか。
