DIYで使える人気の錆止め塗料7選!錆止めの原理や塗り方も解説!

金属製品の錆には錆止め塗料がおすすめです。しかし、錆は何が原因で発生し、錆止め塗料を塗ることでどのような原理が働いて錆をくい止めることができるのでしょうか。この記事では、DIYで使える人気の錆止め塗料7選と錆止めの原理や塗り方などをご紹介します。

錆の発生原因と錆止めの原理

錆はなぜ発生するのか

錆は金属が酸化することで発生します。特に鉄の場合、水分と酸素が存在する環境下で錆びやすくなります。具体的には、鉄の表面に水分が付着すると、鉄は溶解しながらイオン化します。このイオン化した鉄は、空気中の酸素と反応して酸化鉄(錆)を形成するのです。

錆の発生には湿度や温度も大きく影響します。一般的に、相対湿度が60%RHを超えると錆の進行速度が速まります。また、温度が高くなるほど化学反応が活発になるため、錆の発生も促進されます。

錆止め塗料の働き

錆止め塗料は、金属表面に保護膜を形成することで錆の発生を防ぎます。主に以下の2つの方法で錆を防止します。

1つ目は、物理的な遮断です。錆止め塗料は金属表面に密着性の高い塗膜を形成し、水分や酸素が金属に直接触れるのを防ぎます。これにより、錆の原因となる要素を遮断することができます。

2つ目は、化学的な防錆作用です。錆止め塗料には防錆顔料が含まれており、これが金属表面で化学反応を起こして不動態皮膜を形成します。この不動態皮膜が金属の表面を保護し、錆の発生を抑制するのです。

一般塗料と錆止め塗料の違い

一般塗料と錆止め塗料の最大の違いは、防錆効果の有無です。一般塗料は主に美観や保護を目的としていますが、錆止め塗料は防錆効果を重視して設計されています。

錆止め塗料には特殊な防錆顔料が配合されており、これが金属表面で化学反応を起こして防錆効果を発揮します。一方、一般塗料にはこのような特殊な顔料は含まれていません。

また、錆止め塗料は金属への密着性が高く設計されています。これにより、塗膜の剥がれを防ぎ、長期間にわたって防錆効果を維持することができます。一般塗料は必ずしも金属への密着性を重視していないため、金属面に直接塗布すると剥がれやすくなる可能性があります。

DIYで使える人気の錆止め塗料7選

1. ラスト-オルム ストップラスト

ラスト-オルム ストップラストは、水性タイプの錆止め塗料です。環境にやさしく、臭いも少ないため、DIY初心者でも扱いやすい製品です。特徴は、既存の錆の上から直接塗布できることです。錆を完全に除去する手間が省けるため、作業時間を大幅に短縮できます。

また、乾燥が速いのも特徴です。塗布後約30分で指触乾燥、2時間で上塗り可能になります。DIYで短時間で作業を完了させたい方におすすめです。

2. クリロン化成 ラストキラーPRO

クリロン化成のラストキラーPROは、プロ仕様の高性能錆止め塗料です。特殊な樹脂を使用しているため、金属への密着性が非常に高いのが特徴です。また、耐熱性や耐薬品性にも優れており、過酷な環境下でも高い防錆効果を発揮します。

さらに、このラストキラーPROは塗膜の強度が高く、傷つきにくいのも魅力です。DIYで使用する場合、完成後の耐久性が高いため、メンテナンス頻度を減らすことができます。

3. 関西ペイント スーパーザウルスⅡ

関西ペイントのスーパーザウルスⅡは、高い遮水性を持つ錆止め塗料です。この高い遮水性により、構造物用錆止めペイント(JIS K 5551 A種)と同等レベルの優れた防錆性能を発揮します。特に湿度の高い環境下での使用に適しています。

また、スーパーザウルスⅡは様々な素材に対応可能です。金属系の素材はもちろん、モルタルやスレートなどの非金属系の素材にも使用できます。DIYで多様な素材を扱う場合に便利な製品といえるでしょう。

4. ローバル

ローバルは、亜鉛末を高濃度で含有した錆止め塗料です。溶融亜鉛めっきと同等の防食性能を持つことが特徴です。亜鉛の犠牲防食作用により、塗膜に傷がついても下地の金属を保護し続けます。

また、ローバルは1回塗りでも高い防錆効果を発揮します。DIYで作業時間を短縮したい場合に適しています。ただし、価格は他の錆止め塗料と比べてやや高めなので、予算と相談して使用を検討しましょう。

5. Rust-Oleum ラストリフォーマー

Rust-Oleumのラストリフォーマーは、錆を化学的に安定した状態に変換する特殊な錆止め塗料です。既存の錆を完全に除去する必要がないため、DIYでの作業が大幅に簡略化されます。

また、ラストリフォーマーは透明なので、金属本来の風合いを活かしたい場合に適しています。ただし、上塗りを行う場合は、専用のトップコートを使用する必要があります。

6. POR-15 ラストプリベンティブコーティング

POR-15のラストプリベンティブコーティングは、非常に高い耐久性を持つ錆止め塗料です。一度塗布すると、半永久的な防錆効果を発揮すると言われています。特に、湿気の多い環境下での使用に適しています。

この製品の特徴は、湿った金属表面にも塗布できることです。通常の錆止め塗料は乾燥した表面にしか塗布できませんが、POR-15は湿気を利用して硬化するため、湿った状態でも問題ありません。ただし、使用方法が少し複雑なので、説明書をよく読んでから使用しましょう。

7. Krylon Rust Tough

Krylon Rust Toughは、スプレータイプの錆止め塗料です。使いやすさと高い防錆効果を両立させた製品です。スプレー式なので、複雑な形状の金属製品にも簡単に塗布することができます。

また、Rust Toughは耐候性にも優れています。屋外で使用する金属製品のDIYに適しています。さらに、様々な色が用意されているので、防錆と同時に美観も整えることができます。

錆止め塗料の選び方

用途に合わせた選択

錆止め塗料を選ぶ際は、まず用途を明確にすることが重要です。屋内で使用するのか、屋外で使用するのか、また、どのような環境下で使用するのかによって、最適な錆止め塗料は異なります。

例えば、屋外で使用する場合は、耐候性の高い製品を選ぶ必要があります。紫外線や雨風にさらされる環境では、通常の錆止め塗料では効果が持続しない可能性があります。Krylon Rust Toughのような耐候性に優れた製品が適しているでしょう。

一方、屋内で使用する場合は、臭いの少ない水性タイプの製品が適しています。ラスト-オルム ストップラストのような水性錆止め塗料なら、室内でも安心して使用できます。

また、既に錆びている金属に使用する場合は、錆転換型の製品が便利です。Rust-Oleum ラストリフォーマーのような製品なら、既存の錆を完全に除去する手間を省くことができます。

塗装環境を考慮する

錆止め塗料を選ぶ際は、塗装を行う環境も考慮する必要があります。温度や湿度、作業スペースの広さなどによって、適した製品は異なります。

例えば、湿度の高い環境で作業する場合は、POR-15 ラストプリベンティブコーティングのような湿気硬化型の製品が適しています。通常の錆止め塗料では、湿度が高いと乾燥が遅くなったり、塗膜の形成が不完全になったりする可能性がありますが、このような製品なら問題ありません。

また、作業スペースが狭い場合や、換気が難しい場所では、水性タイプの製品を選ぶことをおすすめします。溶剤系の製品は強い臭いを発するため、換気が不十分だと健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、短時間で作業を完了させたい場合は、乾燥の速い製品を選びましょう。ラスト-オルム ストップラストのような速乾性の高い製品なら、作業時間を大幅に短縮することができます。

上塗り塗料との相性

錆止め塗料を選ぶ際は、上塗り塗料との相性も重要な選択基準となります。多くの場合、錆止め塗料の上に仕上げ用の塗料を塗ることになるため、両者の相性が悪いと、塗膜の剥がれや色むらなどの問題が発生する可能性があります。

一般的に、同じメーカーの製品同士なら相性の問題は起きにくいです。例えば、関西ペイントのスーパーザウルスⅡを使用する場合は、同じ関西ペイントの上塗り塗料を使用するのが安全です。

また、水性タイプの錆止め塗料を使用する場合は、上塗りも水性タイプを選ぶのが無難です。油性タイプの上塗り塗料を使用すると、密着性が悪くなる可能性があります。

逆に、溶剤系の錆止め塗料を使用する場合は、溶剤系の上塗り塗料との相性が良いです。ただし、最近では水性塗料の性能も向上しているので、製品の説明をよく確認して選択しましょう。

効果的な錆止め塗装の手順

1. 下地処理

効果的な錆止め塗装を行うためには、まず適切な下地処理が不可欠です。下地処理の第一歩は、塗装面のクリーニングです。ほこりや油分、古い塗膜などを完全に除去しましょう。これには、ワイヤーブラシやサンドペーパーを使用します。

特に注意が必要なのは錆の除去です。軽度の錆なら、サンドペーパーで磨き落とすことができます。しかし、錆が深刻な場合は、電動工具を使用するか、専門家に依頼することをおすすめします。

また、金属表面に付着している油分や汚れは、アセトンやアルコールなどの溶剤で拭き取ります。これにより、錆止め塗料の密着性が向上します。

2. 錆転換処理(必要な場合)

完全に錆を除去できない場合や、時間の制約がある場合は、錆転換処理を行うことをおすすめします。錆転換剤は、錆を化学的に安定した状態に変換する特殊な薬剤です。

例えば、Rust-Oleum ラストリフォーマーのような製品を使用すると、既存の錆を安定した状態に変換できます。これにより、錆の進行を止め、その上から錆止め塗料を塗布することが可能になります。

ただし、錆転換処理を行う場合も、可能な限り表面の錆はサンドペーパーなどで軽く削っておくことをおすすめします。

3. 錆止め塗料の塗布

錆止め塗料を塗布する際は、以下の点に注意しましょう。

まず、塗料をよく攪拌します。缶の底に沈殿している顔料を均一に混ぜることが大切です。攪拌後は、塗料を適量取り、ハケやローラーで均一に塗っていきます。

塗装する際は、薄く均一に塗ることがポイントです。厚塗りすると乾燥に時間がかかり、塗膜にムラができやすくなります。また、塗り残しがないよう注意深く作業を進めましょう。

特に角や継ぎ目などの細かい部分は丁寧に塗ることが重要です。これらの部分は錆びやすいため、しっかりと塗料を塗布する必要があります。

4. 乾燥と養生

塗装後は十分な乾燥時間を設けることが大切です。乾燥時間は使用する塗料によって異なりますが、一般的に室温で2〜3時間程度です。ただし、湿度や気温によっても変わるため、塗料の説明書を確認しましょう。

乾燥中は塗装面に触れたり、ほこりが付着したりしないよう注意が必要です。必要に応じて養生シートで覆うなどの対策を取りましょう。

5. 上塗り(必要な場合)

錆止め塗料の上に仕上げ塗装を行う場合は、錆止め塗料が完全に乾燥してから作業を始めます。上塗り用の塗料は、錆止め塗料との相性を考慮して選びましょう。同じメーカーの製品を使用するのが安全です。

上塗りの際も、薄く均一に塗ることを心がけます。必要に応じて2回塗りを行い、より耐久性の高い塗膜を形成しましょう。

特殊な部位の錆止め対策

ハブボルトの錆止め

ハブボルトは車の重要な部品であり、錆びると重大な問題につながる可能性があります。ハブボルトの錆止めには以下の手順を踏みましょう。

  1. ボルトを取り外し、ワイヤーブラシなどで錆を落とします。
  2. 専用のクリーナーでボルトを洗浄し、完全に乾燥させます。
  3. 耐熱性のある錆止め塗料を薄く塗布します。
  4. 十分に乾燥させてから、ボルトを元の位置に取り付けます。

自動車のボディ下部の錆止め

自動車のボディ下部は常に水や泥にさらされるため、錆びやすい部位です。以下の手順で錆止め処理を行いましょう。

  1. 高圧洗浄機で下回りの汚れを落とします。
  2. 錆びている部分はワイヤーブラシで落とし、サンドペーパーで表面を整えます。
  3. 防錆スプレーを吹き付けます。スプレーは薄く均一に塗布し、乾燥させます。
  4. 必要に応じて、耐久性の高いアンダーコートを塗布します。

屋外の金属製品の錆止め

屋外に設置される金属製品は、雨や紫外線にさらされるため、特別な配慮が必要です。以下の手順で錆止め処理を行いましょう。

  1. 表面の汚れや錆を完全に除去します。
  2. 金属の種類に適した錆止め塗料を選びます。屋外用の耐候性の高い製品を使用しましょう。
  3. プライマーを塗布し、その後錆止め塗料を塗ります。
  4. 上塗りには紫外線や雨に強い塗料を使用します。

錆止め塗装の注意点とメンテナンス

塗装時の注意事項

錆止め塗装を行う際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 適切な防護具(マスク、手袋、保護メガネ)を着用します。
  2. 換気の良い場所で作業を行います。
  3. 塗料の使用期限を確認し、古い塗料は使用しないようにします。
  4. 気温や湿度が適切な環境で塗装を行います。

定期的な点検と補修

錆止め塗装後も定期的な点検が重要です。以下のポイントを押さえましょう。

  1. 年に1〜2回、塗装面の状態を確認します。
  2. 傷や剥がれを見つけたら、早めに補修を行います。
  3. 補修の際は、周囲の塗装面もよく観察し、必要に応じて広範囲の再塗装を検討します。

長期的な錆防止策

長期的な錆防止のためには、以下の対策が効果的です。

  1. 定期的な清掃を行い、塗装面に付着した汚れや水分を除去します。
  2. 金属製品の設置場所を工夫し、できるだけ水や湿気にさらされにくい環境を選びます。
  3. 5〜7年を目安に、全体的な再塗装を検討します。

まとめ:DIYで始める効果的な錆止め対策

錆止め塗装は、金属製品の寿命を延ばし、美観を保つ重要な作業です。適切な下地処理、正しい塗料の選択、丁寧な塗装作業を心がけることで、DIYでも効果的な錆止め対策が可能です。また、定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって金属製品を保護することができます。錆止め対策は早めに始めることが大切です。この記事を参考に、ぜひDIYで錆止め塗装にチャレンジしてみてください。

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