紙の月 フル動画無料視聴方法

紙の月の動画配信情報

紙の月の動画配信状況一覧表

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紙の月 予告動画

紙の月 作品情報

「紙の月」は直木賞作家である角田光代が書いた長編小説を原作に、2014年に公開された映画。「八日目の蝉」の原作でも知られる角田光代は、「紙の月」を書くにあたり実際に起きた女性銀行員の巨額横領事件に興味を持ち、普通の恋愛ではない歪んだ形でしか成立しない恋愛を描こうと決めていた。この小説を原作に「桐島、部活辞めるってよ」で知られる吉田大八がメガホンを取り、宮沢りえと初めてタッグを組んで製作。松池壮亮、小林聡美、大島優子らが共演し、音楽は緑川徹が担当。今作は第38回日本アカデミー賞において、宮沢りえが最優秀主演女優賞、大島優子・小林聡美が優秀助演女優賞、松池壮亮が新人俳優賞を受賞。また「紙の月」は優秀作品賞を、吉田大八は優秀監督賞を受賞している。

受賞歴

紙の月 キャスト・スタッフ

紙の月 あらすじ

夫と二人暮らしの梅澤梨花は、銀行で契約社員として外回りの営業の仕事をしています。ある日、顧客である平林孝三から大口の契約を取ることに成功する梨花。記念として夫とペアの時計を買って帰るのですが、夫はさりげなく時計が安物であることを仄めかすのです。何でも好きな物を買えば良いと言いながら、梨花がクレジットカードを持つことには反対する夫。どことなく窮屈さを感じる梨花は、仕事帰りにデパードで普段は買わないような高級化粧品を手に取り、手持ちの現金では足りずに女性顧客から預かったお金で支払ってしまうのでした。そしてある日の帰り道、平林孝三の孫である光太と駅で偶然出会い、彼が自分を見つめている視線に気づく梨花。別の日に地下鉄で再開した二人は、一晩を共にしてしまいます。顧客のお金に手をつけた事、年下の男性と関係を持ってしまった事。この二つの事実が、平凡だった梨花の生活を大きく変えていくのでした。

紙の月 評価

各映画レビューサイトから「紙の月 」の評価を集めました。

紙の月 見どころ

宮沢りえ

裕福な家に育ちOL生活を楽しむも、結婚を機に退職。専業主婦をしていても生活には困らないほど夫の稼ぎはあるが、子供がいないこともありパートの募集を見て働き始める。決して珍しくない平凡な主婦の日常が少しずつ狂い始める様子を、宮沢りえがリアリティを持って演じている姿が大きな見どころになっていたと思います。原作の角田光代も「どんどん悪い行動に走っていくのに、反比例して透明な美しさが増していくのが凄い迫力で素晴らしかった」と絶賛しています。宮沢りえ自身は台本を読み、年下の男性との不倫・巨額横領に手を染めていく役とあって即決することが出来なかったということですが、彼女が作り上げた梅澤梨花像を見事に演じ切っていたと思います。梨花が魅力的な女性だったからこそ、松池壮亮演じる大学生の光太が彼女に惹かれていくという設定も説得力があるのだと感じました。

小林聡美

「かもめ食堂」「めがね」「プール」などでスローライフをテーマとして作品で主演を務めた小林聡美が、今作では勤続25年のベテラン女子行員・隅より子を演じています。仕事ができるだけに若い女子行員や上司からは煙たがられていますが、意地悪なわけではなく彼女は自分が正しいと信じる事をしているだけなのです。勤続が長いより子は本社の庶務課への異動を打診されますが、納得のいかない彼女は抵抗を試みます。その過程で梨花の不正を発見することになるのですが、几帳面さと正義感を持つベテラン女子行員を、小林聡美が凛とした姿勢で演じていました。梨花が逃げるシーンで「一緒に行きますか？」と問いかけた時、小林聡美演じるより子が見せた表情が秀逸だったと感じました。大島優子が演じる女子行員・相川恵子役と共に、原作にはない設定ながら今作には欠かせない存在だったと思いました。

梨花VSより子

「紙の月」の終盤で梨花の不正に迫ったより子が、会議室で直接対決する場面が最大の見どころだと思います。自分を追い詰めておいて「全額戻せば刑事告訴は免れる」と優しさを見せるより子に、梨花は「今の私が惨めな人間だから優しくするのか」と食ってかかります。より子は「あなた惨めな人間なの？想像できないほど凄い事したんでしょ？」と答え、自分には出来ない事をやってのけた梨花を羨ましいと思っているかのような発言をします。だからこそ梨花は逃げる時に、一緒に行きますかと言ったのではないかと思いました。結局梨花はタイへと逃亡し、より子は本社へ異動することなく支店勤務を続けることになります。二人の女性どちらが惨めで、どちらが幸せかは一概には決められませんが、より子の言った「お金じゃ自由になれない」という言葉は印象深いセリフだと思いました。

紙の月 感想・レビュー

銀行

梨花が働くことにした場所が銀行だったということが、梨花の人生を狂わせる原因の一つになったのではないかと思いました。銀行には沢山のお金が働く人々の目の前にありますが、勿論そのお金は自分のものではありません。そしてこの映画を見て紙幣はただの紙であって、それ自体には価値が無いという事に改めて気が付きました。また銀行では、いつも見張られているという事も知ったのですが、それは横領をさせない・横領していないかをチェックしているからなのです。今まで気にした事はありませんでしたが、銀行とは特殊な世界なのだと実感しました。また劇中では梨花が平林孝三から預かった200万円をキャンセル扱いにして、証書を服に隠し平林には偽の証書を渡し200万円を着服。それが成功すると梨花はプリンターを買い込み、自宅で証書の偽造を進めるのです。今はセキュリティが厳しくなり不可能だと思われる横領の手口を、今作では興味をもって見ることが出来ました。

女性が働くということ

「紙の月」の中では女性が働くことの意味や、大変さが良く描かれていたと思います。梨花の夫は妻が働いているのは、ちょっとした小遣い稼ぎ位にしか思っておらず、自分が養っているという感覚を持ち続けています。だからこそ上海への転勤に妻が付いてくると信じて疑わず、妻の仕事は重要ではないと考えているのです。そして銀行でも、女性は長く働いていると転勤を命じ退職するよう仕向けるのです。仕事ができるベテラン社員より、給料が安くてすむ若い女性を雇用して職場が活性化する方を選ぶ。当時は銀行でなくても、そういう企業は多かったのではないかと思います。現在は政府の方針からも長く働くことが推奨されているので、仕事の出来るベテラン女性社員が平等に働ける世の中に少しずつ近づいているのだろうかと考えさせられました。

歪んだ愛

梨花は学生時代に学校で行われた募金活動でお金を寄付し、お礼の手紙を貰ったことに喜びを感じました。クラスの皆が募金活動を辞めてしまったので、梨花は皆の分も寄付しようと父親の財布からお金を抜き取り多額のお金を寄付します。このことで学校側は募金活動を中止し、梨花は先生から注意されるのですが自分が悪いことをしたという意識がありません。彼女は寄付を受けた子供たちが喜んでくれたと思うと幸せで、ただ本当にしたい事をしただけだと言うのでした。そのセリフを聞くと梨花が光太にしていた行為もボランティアの一環のように感じられ、彼女はお金を介在してしか愛を感じられなかったのではないかと思いました。「偽物だからこそ幸せを感じていた」という歪んだ愛の形が、今作で描かれた愛というものだったのです。

紙の月 SNSでの評判は？

Twitterから「紙の月」の評判をまとめました。

【まとめ】紙の月の動画を無料で見るなら

「紙の月」は、ちょっとしたキッカケから巨額横領という犯罪に手を染めてしまうというサスペンスドラマですが、人間は誰でも向こう側に落ちてしまう可能性があるのではと思わせられる作品でした。大島優子演じる女子行員が「やりたい事はやりたい。色々我慢しているのがバカみたい。」という気持ちは誰にでもあり、時には贅沢をしてしまうことだってあると思います。そこで踏みとどまれるかどうか、紙一重の問題なのだとも感じました。お金について改めて考えてみたい人、人間の危うさを知りたい人にお勧めしたい作品です。